ミヨシコラム
ものづくりの魅力を後輩たちへ!溶接のプロが教える「匠の技教室」

2025年9月30日、新居浜工業高校が実施している「匠の技教室」に、三好鉄工所の溶接工3名が講師として参加しました。
「匠の技教室」とは、新居浜工業高校が実施している熟練の技術者の指導のもとで専門的な技術や技能を学ぶ実践型の授業です。プロの目線から直接指導を受けることで、現場で通用する高いスキルを身につけることができます。
今回の対象は、機械部溶接班の生徒のみなさん。
実は、講師として参加したミヨシの溶接工3名全員が新居浜工業高校の卒業生です。かつて同じ教室で学んだ先輩たちが、今度は溶接のプロとして母校に戻り、後輩たちへ“現場のリアル”を伝える――。とても感慨深く、貴重な時間となりました。
約1時間の授業で基礎から応用までプロ目線で指導

教室がスタートすると、生徒たちは複数班に分かれ、実際に溶接作業を行いました。
溶接とは、2つの金属部品を電気やガスの熱で溶かし、ひとつに接合する技術。製造現場では欠かせない重要な工程であり、美しく確実に仕上げるには高い集中力と経験が求められます。
学生のうちからしっかりと基礎を身につけることは、将来の即戦力化やキャリア形成にも大きくつながります。

ミヨシの講師たちは、そうした点を意識しながら、生徒一人ひとりの手元を丁寧に見つめ、トーチの持ち方や姿勢、ビードの幅など、基礎から応用まで細やかに指導しました。
約1時間という限られた時間ではありましたが、生徒たちは積極的に質問や意見を交わしながら真剣に取り組んでおり、その姿勢から私たちも多くの気づきと学びを得ることができました。
匠の技教室を終えたそれぞれの想い

教室を終えた生徒からは、「持ち方を変えるだけで、ビード(溶接の筋)が一定になった。すごく的確に教えてもらった」という声が上がりました。
また、「11月には三好鉄工所さんでのインターンシップを控えているので、この期間にどこまで技術を高められるか楽しみです」と語る学生も。
「将来は新居浜で働きたい」と話す生徒も多く、地元で活躍する未来を思い描いている様子が印象的でした。

指導を担当する佐伯先生は次のように話します。
「プロの職人さんに直接教えてもらえるのは、子どもたちにとって大きな刺激になります。三好鉄工所のみなさんは、毎日現場で磨いている技術を、分かりやすく丁寧に教えてくださる。本当にありがたいです」
同校の溶接班は、全国規模の大会「溶接甲子園」にも出場しており、炭酸ガスアーク溶接部門では全国4位という好成績を収めています。
こうした成果の背景には、地域企業との連携や、実践的な学びの積み重ねがあるのかもしれません。

〈 講師として参加したミヨシの溶接工。左から西条事業所 製造課 十河さん・藤本さん、本社製造課 髙橋さん 〉
講師として参加した十河さんは、
「生徒たちが真剣に話を聞いてくれて、とても嬉しかったです。自分も高校生の頃は思うようにいかないことが多く、何度も練習を重ねてきました。今日はその経験をもとに、“こうした方がやりやすいよ”と、自分なりのコツを伝えられたのが嬉しかったですね。
母校でこうして教える立場になれたことが、本当に感慨深いです。これをきっかけに、ものづくりの楽しさや、地元で働く魅力を感じてもらえたらと思います。」
と話してくれました。
“地元で学び、地元で活躍する”若い世代を育てたい

ミヨシでは、これまでも何度か「匠の技教室」に講師として参加してきましたが、この活動を通じて、地元企業と学校がつながり、地域産業を担う人材の育成に貢献できていることを実感しています。
当社には新居浜工業高校の卒業生も多く在籍しており、母校とのご縁が続いていることを、私たちもとても嬉しく思っています。
これからも、地域と学校、そして企業が一体となって“ものづくりの楽しさ”を伝え合い、未来の職人たちの成長を共に支えていけたらと思います。
新居浜工業高校のみなさん、この度は本当にありがとうございました!
